聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい


「あっ、翠だー!おっはー!!」



聞き慣れた声がして振り向こうとしたら、背中にドンッと勢いよく突撃されて前につんのめる。



「わっ!?さ、彩那(さな)ちゃん…!!?もうっ、びっくりさせないでよ〜!」



「あははっ、翠の目まん丸…!驚いた翠も可愛いよっ☆」



おどけた表情でウインクする彼女は、彩那ちゃんこと姫崎 彩那(ひめさき さな)ちゃん。



入学初日にできた友達で、同じクラスなんだ。



「いやぁ、翠って反応いいからさ。つい意地悪したくなっちゃうんだよね」



「うぅ…心臓止まるかと思った…」



「ご、ごめんごめん…もうしないから。ね?」



「…約束だよ?」



「もち!!」



親指をぐっと立て笑う彩那ちゃんは、どこかのアイドルみたいに可愛い。