紫呉さんの艶やかな黒髪が目にかかり、しなやかな手がするりと頬を撫でる。



「翠がその気なら、いくらでもお相手しますよ」



妖艶な笑みを浮かべる紫呉さんが、そっと耳元で囁いた。



「翠の心も体も、まるごと全部…。余すことなく、愛して差し上げます」



この人なら、きっと大丈夫。



だって、愛おしくて涙が出るなんてこと…普通はありえない。



私も、一生紫呉さんを愛します。



だから、紫呉さんもずっと愛してくださいね?



この身も心も、私の何もかも…。



これからずっと、紫呉さんのものです。