うん、これで何も聞かれないはず。



そうこうしているうちに、お母さんやお父さんが起きてきた。



「おはよう翠ちゃん。今日は早いのね?」



う…お母さん鋭い。



「ち、ちょっと目が覚めちゃって…」



「ふふっ、早起きはいいことよ?せっかくだからご飯食べちゃいなさい」



お母さんの返事に胸を撫で下ろして、テーブルに並んだトーストにかじりついた。



食べ終わった後に歯を磨いたり髪の毛を整えていたら、いつの間にか登校時間になっていて。



「じゃあ、行ってきます」



出勤時間が遅いお母さんは、私より後に家を出る。



お父さんは私がご飯を食べている間に会社に行っていた。



「気をつけてね」



「はーい」



「あ、そういえばあーちゃんは起きてたかしら?」



家を出ようとしたら、お母さんの心配そうな声が聞こえて振り返る。