聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい


笑顔の絶えない彼女の顔は、痛々しいほどに酷く歪んでいた。



「…もしあたしが翠の立場だったら、たしかにあたしも翠と同じことしてたかもしれない。だから、怒るとかそんなのはしないよ。…でも」



なんて返せばいいのかわからず投げかける言葉を探していたら、優しく両手が包まれた。



「翠が無事で、本当によかった…っ。あたしのせいで翠に何かあったら、今度は一生後悔するもん…っ」



「彩那ちゃん…」



…私、本当に幸せ者だな。



普通なら「もっと危機感持って」とか怒ってもいいところなのに、ただ私の心配だけをしてくれている。



迷惑かけて、彩那ちゃんを追い込んでしまったことに対しては反省すべきだと思う。



それでも、やっぱりこうして彩那ちゃんが…親友が自分のためにここまで思ってくれることが、本当に嬉しい。



「彩那ちゃんは私の自慢の親友だよ。こんなに私のことを思ってくれてるのに、親友失格だなんて絶対そんなことない。蓮見先輩についていったのは、私の判断だから。彩那ちゃんが自分のせいだとか、思う必要もないよ」