聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい


「俺はアイツらの前で翠を助けた。アイツらにしてみれば、翠は俺の姫だと思い込んでいるはずです」



……………ヒメ??



一瞬、紫呉さんの言っていることがわからなかった。



「あの、姫…ってなんのことで…?」



もう一度聞き返すと、平然とした紫呉さんは至って普通の事のように告げた。



「何って…彼女ですよ」



「……はい?」



「だから、俺の彼女だと思い込まれてるってことです。2回も言わせないでください」



「かっ、かかか彼女……!?!?」



私の本日2度目の大声が響き渡る。



な、なんでそうなるの?



だって紫呉さんとは、今日初めて会ったばかりなのに…!!



「総長の彼女…もとい、見初められた女性は姫と呼ばれ、他の組から狙われることが多い存在。翠がそう思われてるっていうこと、お分かりいただけましたか?」