聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい


ただの力の強さで戦ってるんじゃない。



相手に勝つための計画を念入りに立てるような頭脳戦をしてるんだ。



総長って、意外と奥が深いのかもしれない…と思っていると、斗真さんが私の隣に腰を下ろした。



「…だからさ、今日はビックリしたよ」



「びっくり…ですか?」



ぽつりとこぼした斗真さんの方を向くと、穏やかな笑顔で「うん」と頷いた。



「俺も紫呉の後を追ってあの気持ち悪い部屋に入ったらさ、紫呉が翠ちゃんを攫ったRadicalんとこのヤンデレ野郎をボッコボコにしてんだもん。マジびびったわ」



「っ…!!」



笑顔で話すような内容じゃないし、ものすごく物騒なこと言っている斗真さんはちょっとどうかなと思うけれど…。



それを嬉しく思ってしまっている私は、もっとどうかしている。



「紫呉のやつ、本当に怒り狂ってた。今までで見たことないってくらいに焦ってて…止められてよかったよほんとに」



「そう…だったんですね」



私のために…と思ったら、じわりと頬が熱くなる。