「翠ちゃん、入るよー」
コンコン、と2回ノックされた後に斗真さんの声が聞こえ、すぐに姿を見せた。
「っ、あの…!紫呉さん…は…?」
私は焦燥感に駆られて、なんて返されるだろうと怯えながらも聞いてしまった。
すると、斗真さんはキョトンとした顔で瞬きをする。
「紫呉…?あー、紫呉なら今風呂入ってるけど…どうして?」
ど、どうしてって……。
「そ、その…怪我、したりとか…」
私は紫呉さんの姿を確認してからすぐに意識を失ったから、その後はどうなったのか全く知らない。
あの廃ビルの下の階には、他のRadicalのメンバーもいたし…。
大怪我でもしていたら…と思うと、悲しみと自分に対する怒りでどうにかなってしまいそう。
怖くてビクビクしていたけれど、斗真さんは肩を震わせながら思い切り笑った。
「…あははっ!翠ちゃんそれ、面白すぎ…!」
「……へっ?」
こんな反応をされるとは微塵も思っていなかったから、わけがわからず困惑してしまう。



