聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい


あぁ…紫呉さんだ。



紫呉さんが、助けに来てくたんだ。



一番助けに来て欲しいと思った人が、今までで一番焦りながら私を助けに来てくれた。



その一瞬で、張り詰めていた緊張の糸が切れたのだろう。



プツリ、意識はそこで途絶えた。







「…………い」



………誰かが、私を呼んでる…?



ぼんやりとした意識の中で聞こえる僅かな声。



まぶたが重くて顔はハッキリ見えないけど、少しなら目を開けられそう。



「あ、よかった……起きたみたいだね。具合は大丈夫?」



薄く目を開けると、見覚えのある顔が私を見下ろしていて。



「斗、真さん……?」



確信を持ってそう問いかければ、彼はニカッと笑って頷いた。



「そうそう、紫呉の弟の斗真だよー。久しぶりだね、翠ちゃん」



人懐っこい笑みを浮かべる彼は、やっぱり斗真さんだったらしい。



「今飲み物持ってくるから、ゆっくりしてて」



「え、あ……」



私がなにか聞く前に、斗真さんは部屋を出て行ってしまった。