「翠ちゃんが好きで好きでたまらなくって、誰にも見せたくないくらいに愛してるからだよ。文字通り君を、束縛するためさ」
うっとりしながら、私一点を見つめてそう言った。
今まで見てきた彼の表情の中で最も恐ろしく、見ているだけで震えが止まらないほど。
「っ…おかしい。そんなの…そんなの、愛なんかじゃないっ…」
「これも愛のカタチだよ。好きな人がいたら、ずっと腕の中に閉じ込めたいって思うあの気持ちと同じ。それがちょっと強いだけなんだ」
……意味が、わからない。
あたかも自分は正論を言っているような口ぶりだけれど、やっていることは常軌を逸している。
きっとこの人とわかり合うことは一生ないのだろうと思っていると、蓮見先輩は「あと…」と続けた。
「ついでに『Nova』の総長にも仕返しできるだろう?まさに一石二鳥じゃない?」
「っ!!」
心臓がドクンッと跳ねたのがわかった。
嫌な汗が吹き出し、体温が一気に下がっていく。



