聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい


そもそも私、紫呉さんの彼女なのに…!



そういう前に、蓮見先輩は教室から去っていった。



う、そ………。



ただただその場に呆然と立ち尽くす私と、コソコソ話すクラスメイトたち。



「す、翠…!大丈夫!?」



そんな私の席に、顔を真っ青にした彩那ちゃんが飛び込んできた。



「来るかもしれないとは思ってたけど、まさか告白までかましてくるなんて思ってなかったからびっくりしちゃった…」



「や、やっぱりあれって告白……?」



「あんなの告白以外の何物でもないでしょ!」



「そう、だよね……」



やっぱり私の勘違いなんかじゃなかったんだ…。



彩那ちゃんの言うように、間違えようがないくらいハッキリとした言葉だった。



蓮見先輩にキスをされた手の甲が、まだじんわりと熱い。



優しく、壊れ物を扱うかのように触れられた手。



躊躇いや迷いは一切くて。



不覚にも、少しだけときめいてしまった。