私たちが履いている上履きとは違う色のものを履いた蓮見先輩は、私の教室を見回している。
「…君が春風さんだね」
気がつけば、私の席の前に蓮見先輩が立っていて。
「な、んで私の名前…」
「朝は急にいなくなるからびっくりしたんだよ?なにか悪いことしちゃったかなぁって、ずっと気になってたんだ」
私の質問は無視されて、眉根を寄せる蓮見先輩のペースに持っていかれる。
「…って、これだと今朝に春風さんを見つけたみたいだね。もっと違う言い方をした方がいいかも」
「あ、あの…──っ!?」
ふわりと私を包んだのは、蓮見先輩から香る匂い。
甘いのに、とても爽やか。
「春風さんのこと、ずっと前から可愛いなって思ってました。よければ僕と、お付き合いを前提に仲良くなってくれませんか?」
そんな彼は、この甘い香りに似合うとびきりの笑顔で、私の手の甲に唇を落とした。



