「う、うん。ありがとう…?」
彩那ちゃんが、なんだかお母さんみたい…?
教室に行くまでも私の手を握ったままでいた彩那ちゃんに、そんな思いを抱くのであった。
***
「…それ、蓮見先輩じゃない?」
「蓮見先輩…?って…?」
「えっ!?知らなかったの!?」
「存じ上げなかったです…」
お昼休みになり、いつもの非常階段でお昼ご飯を食べ終えた後、彩那ちゃんに今朝の話を聞いてもらっていた。
登校中私に声をかけてきた人の容姿を説明すると、早速彩那ちゃんがわかったらしくて。
「蓮見 壱春先輩って言うんだけど…本当に知らない?」
「う、うん…」
そんなふうに聞かれたら、もしかして聞いたことがある名前なのかもしれないと思ってくる。
でも、ピンときてないってことはわからないってこと。



