あたしの中学校生活のミッション。
 それは、「ハートがバキバキ鳴る恋」をすること。
 ステキな王子様と出会って、心臓が痛いくらいに情熱的な恋をするの。

 そのためには、もうあんな(●●●)みじめな姿を人前で晒しちゃいけない。

 だから、あたしは決めてたんだ。
 もう二度と、「できないこと」に無理してチャレンジしないって。
 
 自分のできること、得意なことだけをやって、キラキラ女子としての振る舞いを学校中に見せつける。

 向いてないことからは、全力で逃げるのが一番。
 ——そう思ってたのに。

 スポットライトの下、弧を描いて飛んできた、君の想い。
 受け取った瞬間、もう逃げるなんて無理だって気づいて。

 思い切って奏でた音が、教えてくれたの。
 ほんとうに心臓が高鳴るために必要なこと。それは——