「そっか。良かった」
蒼が嬉しそうに笑った。
そして右耳に流れ込んでいた音は急にプツンと途切れて蒼がイヤホンを耳から取り出した。
「長い曲だから、また続きは今度な」
「うん、分かった」
差し出された蒼の大きな掌に私がイヤホンを渡そうとすれば蒼が私の掌を包み込んだ。
「手ちっちゃ」
「えと……」
「手繋がせて」
「もう、繋いでるじゃない……」
「あ、確かに事後報告だな」
恥ずかしくて俯いていたから蒼がどんな顔してるのかは分からない。でも初めて繋いだ男の子の掌は、大きくてあったかくて、なんだか私のことを守ってくれるような、ほっとする感触だった。
私達は手を繋いで自転車置き場へと向かっていく。いつもより蒼がゆっくり歩いているのは気のせいだろうか。
(言うなら……今しかないよね……)
私は蒼を見上げた。
「月瀬?どした?」
「……あのね、私も蒼の好きなとこ3つ見つけたから言ってもいい?」
「お、おう……」
少し驚いた顔をしながら蒼が立ち止まると私をじっと見つめた。
蒼が嬉しそうに笑った。
そして右耳に流れ込んでいた音は急にプツンと途切れて蒼がイヤホンを耳から取り出した。
「長い曲だから、また続きは今度な」
「うん、分かった」
差し出された蒼の大きな掌に私がイヤホンを渡そうとすれば蒼が私の掌を包み込んだ。
「手ちっちゃ」
「えと……」
「手繋がせて」
「もう、繋いでるじゃない……」
「あ、確かに事後報告だな」
恥ずかしくて俯いていたから蒼がどんな顔してるのかは分からない。でも初めて繋いだ男の子の掌は、大きくてあったかくて、なんだか私のことを守ってくれるような、ほっとする感触だった。
私達は手を繋いで自転車置き場へと向かっていく。いつもより蒼がゆっくり歩いているのは気のせいだろうか。
(言うなら……今しかないよね……)
私は蒼を見上げた。
「月瀬?どした?」
「……あのね、私も蒼の好きなとこ3つ見つけたから言ってもいい?」
「お、おう……」
少し驚いた顔をしながら蒼が立ち止まると私をじっと見つめた。



