破裂音と共にステージに火花が上がった。立て続けに聴いた曲にあっけに取られていた私は、我に返る。
『みんなー! ついてきてる? 次の曲、いっくよー!!』
赤い髪に目だけの仮面をつけた男性が、笑顔で叫んだ。髪の色はもちろん、ウィッグだろう。青、黄色、緑、オレンジ。それぞれの色の髪と瞳をした5人組が、アップテンポで歌いだした。みんな、顔の上の部分だけが隠れる仮面をつけている。
「すごいでしょ、お姉。これ、ミキシングしてなくてこのハーモニーなんだよ」
まるで自分の事みたいに得意げに雪が言った。うん、と上の空で応える私の目は、画面にくぎ付けだ。
すごい。今のアイドルて、こんななの?
アイドルって言うからもっと子供っぽいのかと思ったけど、この人たち多分、みんな私と同じくらいか年上だよね。
「これ! この青いのがクウヤ。今、バク転したのがカツヤね。お姉の好みはタカヤでしょ。この緑の長い髪の。あ、この肩組んでる二人がイチヤとフミヤ」
次々に映し出されるメンバーを紹介してくれる。
きらびやかな照明の中に、シックな衣装が大人っぽい。以前見ていたアイドルのような華やかで派手なパフォーマンスではないけれど、目を引きつけるダンスでステージ中を動き回る。透き通るような声はマイクを通しても、響きと張りが耳に突き刺さってくる。
なんなの、この人たち。
それが、私と『RAG-BAG』ー通称、ラグバとの出会いだった。
☆
『みんなー! ついてきてる? 次の曲、いっくよー!!』
赤い髪に目だけの仮面をつけた男性が、笑顔で叫んだ。髪の色はもちろん、ウィッグだろう。青、黄色、緑、オレンジ。それぞれの色の髪と瞳をした5人組が、アップテンポで歌いだした。みんな、顔の上の部分だけが隠れる仮面をつけている。
「すごいでしょ、お姉。これ、ミキシングしてなくてこのハーモニーなんだよ」
まるで自分の事みたいに得意げに雪が言った。うん、と上の空で応える私の目は、画面にくぎ付けだ。
すごい。今のアイドルて、こんななの?
アイドルって言うからもっと子供っぽいのかと思ったけど、この人たち多分、みんな私と同じくらいか年上だよね。
「これ! この青いのがクウヤ。今、バク転したのがカツヤね。お姉の好みはタカヤでしょ。この緑の長い髪の。あ、この肩組んでる二人がイチヤとフミヤ」
次々に映し出されるメンバーを紹介してくれる。
きらびやかな照明の中に、シックな衣装が大人っぽい。以前見ていたアイドルのような華やかで派手なパフォーマンスではないけれど、目を引きつけるダンスでステージ中を動き回る。透き通るような声はマイクを通しても、響きと張りが耳に突き刺さってくる。
なんなの、この人たち。
それが、私と『RAG-BAG』ー通称、ラグバとの出会いだった。
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