ビルの合間から、ドクターヘリが姿を見せた。

 空中でホバリング停止、ゆっくり降下してくる。


 片側三車線の大きな交差点だけど、こんなところに大きなヘリが……


「あれって、市川さん……」


 ヘルメットを被ってるけど、そんな感じがした。


「じゃあ、フライトドクターは……」


 ゆっくり降下する機体が交差点の中央に着地。

 すぐに側面のスライド扉が開いて、誰かが飛び降りてきた。

 急いで走り寄ってくる、その姿は……


「氏家先生……」


 すぐ後ろに、大きなバックを背負ったフライトナースの白井さんも駆け寄ってくる。


 そして、運転席で動けない私を見た氏家先生が声をかけてきた。


「ちょっと触るぞ、痛いところはどこだ!」


 一瞬だけ大きく目を見開いて驚いてたけど、すぐにいつもの先生に戻った。


「えっ、アナタ……」



 白井さんも私を見て、目が点になってる。