週明けの月曜日。

 午前10時が過ぎたぐらいのタイミングで、私は会議室へ呼び出された。


「でしょうね……」


 だいたいの予想はついてる。

 覚悟を決めて入室すると、すでに部長が俯き加減で椅子に座っていた。


「高梨くん、部長からだいたいの話は聞いた。社長が倒れたことも」


 私が椅子へ座る前に、常務が話しかけてくる。

 その場に立ったままで、私は耳を傾けた。


「さっき、あの会社の専務から、一方的に契約解除だと言われたよ」


「はい……」


「あの商品、うちより安い単価で納品する業者っていったら……」


「すぐに分かると思います」


「決めるのは会社の社長だ、ここで諦めたら終わりだぞ」


「長年、取引してくれていましたからね……」


「悪いが高梨くん、もう一度だけ社長と話してきてくれないか」


「はい……」


 常務がいつも、営業2課に言ってることがあった。

 諦めたら、そこで終わりだって……