いざこれからという時にユーリとの接点がなくなってしまう。俺がここに残るためにはどうしたらいいんだ?

「わかりました。護衛の仕事がないなら、ユーリ様のお世話をします。ですから通いのメイドも不要です。とにかく、俺はユーリ様のおそばにいたいのです!」

 そう言い切って、家事全般をこなすことで家に置いてもらうことになり、尚且つ余計な邪魔者の侵入を防げた。こう見えて騎士として鍛えた際に家事能力も身につけていたので、円滑なスタートを切ることができた。

 そうして危機を脱した俺はユーリを落とすため、日々奔走している。
 しかし、どうにもユーリが無防備すぎて、自分の暴れ出しそうな欲望を日々耐える毎日だ。

 一ヶ月は部屋に引きこもっていたユーリは「これじゃダメだ」と言い出して、新商品の開発を始めた。だから俺は全力で仕事に取り組み、真剣な様子のユーリを見守っている。

 こうなると毎晩遅くまで研究して、食事を用意するわずかな待ち時間でもソファでうたた寝してしまうのだ。風邪を引いては大変だと思い、お姫様のように抱き上げて寝室まで連れていく。