深緑の葉を朝露が濡らし、柔らかな日差しを受けた清浄な空気が私を包む。すがすがしい朝を呑み込むように、めいっぱい空気を吸い込んだ。
ゆっくりと息を吐き出しながら、よそ風に揺れる木々に視線を向ける。バルコニーを見下ろすように立つ木の上では、小鳥たちが私の未来を応援するように歌っていた。
お父様の起きる時間に合わせて準備は整えた。バッチリと戦闘服である赤と黒のドレスに身を包み、バルコニーから部屋へと入りそのまま廊下まで勢いよく進んでいく。
廊下に出て左に進路を変え、壁の名画を横目にまっすぐ目的地を目指した。
——やっと準備が整った。ようやく私の本懐を遂げられる。
長かった。本当に長かった。
重厚な作りの焦茶色の扉を開き、毛足の長いカーペットの上を足跡なく進む。
執務机で難しい顔をしているお父様に向かって宣言した。
「お父様、クリストファー殿下との婚約の解消を希望いたします」
「……は? お前、いったいどうした? どこか頭でも打ったのか?」
ゆっくりと息を吐き出しながら、よそ風に揺れる木々に視線を向ける。バルコニーを見下ろすように立つ木の上では、小鳥たちが私の未来を応援するように歌っていた。
お父様の起きる時間に合わせて準備は整えた。バッチリと戦闘服である赤と黒のドレスに身を包み、バルコニーから部屋へと入りそのまま廊下まで勢いよく進んでいく。
廊下に出て左に進路を変え、壁の名画を横目にまっすぐ目的地を目指した。
——やっと準備が整った。ようやく私の本懐を遂げられる。
長かった。本当に長かった。
重厚な作りの焦茶色の扉を開き、毛足の長いカーペットの上を足跡なく進む。
執務机で難しい顔をしているお父様に向かって宣言した。
「お父様、クリストファー殿下との婚約の解消を希望いたします」
「……は? お前、いったいどうした? どこか頭でも打ったのか?」



