「それから、結婚後も週に二日は休みの日を作ろう」
「え」

 突然の話題転換に一瞬戸惑う。熱烈な愛の告白から、なぜ休日の話になるのか。
 内容はとても嬉しいものだけれど。

「ダラの時間は必要だろう?」
「そうだけど……」

 ふたりでリンフォード帝国に来てから、一緒に暮らしていた時の楽しい記憶が蘇る。
 そうだ、フレッドはどんな私を見ても変わらなかった。

 部屋着でウロウロしても、下着を洗ってくれた時も、カレーライスの大盛りを平らげた時も。

 私のそばにいて、いつも大切にしてくれた。
 いつも愛してくれた。

 胸につかえていたモヤモヤが綺麗になくなって、フレッドの言葉がスッと入ってくる。

「裏切ったら、すぐに離婚よ」
「決して裏切らない」

 うん、そう言うと思った。その言葉がフレッドの口から聞きたかった。

「私だけ見てくれる?」
「もうずっとユーリしか見てない」

 そうだ。フレッドはいつも真っ直ぐに私を見てくれて、嘘をつかない。

「……フレッド」
「うん?」

 貴方だから信じられる。
 貴方じゃないと信じられない。


「私も、フレッドが好き」


 破顔したフレッドがキラキラと眩しい。
 そっと触れるだけの口づけを交わす。

 でもそれじゃ足りなくて、すぐに深い口づけでお互いを求めた。