「母上はどうした?」
「お母様はわたしを逃すために囮になったの。なにがなんでも助けないと……!」
「そうか……わかった。俺がなんとかする」
フレッドは悔しそうにギリッと奥歯を噛みしめる。
「ごめんなさい……私のせいだわ。私が……へレーナを刺激してしまったから……」
「ユーリ、それは違う。あの聖女がおかしいんだ。こんなことになるなんて、誰も予想できなかった」
「そうだよ、お姉ちゃんのせいなんかじゃないから! 昨日の映像を見たらわかるよ。あの聖女がヤバいだけだから」
「…………」
ふたりはそう言ってくれるけど、私が納得できない。絶対に皇帝陛下と皇后陛下を助けないと。へレーナをどうにかしなければ……!
「リンク、謁見室での出来事は把握できているか?」
「はい、ご説明いたします」
影たちは念話というスキルが使えて、離れたところにいる仲間とも会話ができるという。そのスキルで謁見室の様子を聞き出してくれたのだ。
謁見室ではへレーナが好き勝手やっていて、皇帝陛下と皇后陛下は闇の力で作られた檻に閉じ込められているそうだ。貴族たちも逆らえば檻に入れると脅されて、渋々したがっている状態だ。
聖女へレーナが女帝として今後は統治すると、通達を出す準備を進めているらしい。それは帝国内だけではなく、諸外国へも知らしめるようだ。
「お母様はわたしを逃すために囮になったの。なにがなんでも助けないと……!」
「そうか……わかった。俺がなんとかする」
フレッドは悔しそうにギリッと奥歯を噛みしめる。
「ごめんなさい……私のせいだわ。私が……へレーナを刺激してしまったから……」
「ユーリ、それは違う。あの聖女がおかしいんだ。こんなことになるなんて、誰も予想できなかった」
「そうだよ、お姉ちゃんのせいなんかじゃないから! 昨日の映像を見たらわかるよ。あの聖女がヤバいだけだから」
「…………」
ふたりはそう言ってくれるけど、私が納得できない。絶対に皇帝陛下と皇后陛下を助けないと。へレーナをどうにかしなければ……!
「リンク、謁見室での出来事は把握できているか?」
「はい、ご説明いたします」
影たちは念話というスキルが使えて、離れたところにいる仲間とも会話ができるという。そのスキルで謁見室の様子を聞き出してくれたのだ。
謁見室ではへレーナが好き勝手やっていて、皇帝陛下と皇后陛下は闇の力で作られた檻に閉じ込められているそうだ。貴族たちも逆らえば檻に入れると脅されて、渋々したがっている状態だ。
聖女へレーナが女帝として今後は統治すると、通達を出す準備を進めているらしい。それは帝国内だけではなく、諸外国へも知らしめるようだ。



