ちゃんと時期が来たら話すと言ってくれているから、浮気男とはまったく違うのに。しかも国家を揺るがすような内容なら話せなくて当然なのに。

 今まではなんでも話してくれていたのに。ああ、身分のことは秘密だったけれど。あの状況では仕方ないと納得できている。それとなにも変わらない。

 フレッドが戻ってきてからは護衛騎士として、また常に一緒に行動するようになった。以前と違うのは皇太子としてそばにいるということだ。場合によっては女性の護衛騎士もつくことになった。

 今日はミカも私の部屋に来ていて、今後について相談している。内容が内容だけに人払いして、今はこの部屋に三人だけだ。

「わたし、お茶会を開くわ。ご令嬢たちを集めて、なにか動きがないか探ってみるわね。そうねえ、急いでも二週間後になるかな。それまで準備で忙しいから、しばらくこちらには来られないわ」
「そう、わかったわ。私もできることがあればいいのだけど……」

 お茶会に参加すると言っても、帝国の貴族令嬢では挨拶するだけで情報を集めることなんてできない。むしろなぜ参加しているのかと、私の方が調査される側になってしまう。皇女であるミカの邪魔になるから、ここはおとなしくしているしかない。