時間になり、震える手でスマホを操作し、合格者発表を確認する。
 沢山の受験番号の中から自分の番号を血眼で探す。探す、探す……探す。
 そして暫くして私の手からスマホがすり抜け机の上の落ち、ガタンと大きな音を立てた。

「………………な、ない」

 思考だけでなく、全身が絶望に飲まれていく。
 まるで虫食いのように、私の番号を飛ばした受験者番号が並んでいたからだ。
 
 落ちた、不合格だ、何で。
 
 あんなに頑張ってきたのに…………!!
 やっと状況をしっかりと理解して、私の両目から大粒の涙がぼろぼろと溢れる。そしてしゃくり上げ、次に声を上げて子供のように泣き出した。
 少しでも、お姉ちゃんに自慢の妹になりたかった。そのチャンスが、この受験だった。
 後に知ったのだが、あろうことか緊張のあまり受験本番で名前を書き忘れていたらしい。