「なんと。それは嬉しい。若いお嬢さんにまで読んでもらってるとは……」
「勉強になります」

 祖父もすっかり優を気に入っている。

 三人で談笑していると、瑛斗が現れた。

「何か楽しそうですね」
「ああ。優ちゃんと楽しく話をしていた」

 いつの間にか祖父まで優ちゃんと呼んでいる。

「ちょうどいい。俺は優と付き合っている」
「ああ。慎に聞いた。賛成だ」
「そうか。いずれは結婚したいと思っている」
「「「ええっ!!」」」

 突然の瑛斗の結婚発言に優まで驚きの声を上げる。

「瑛斗は昔から手先は器用なのに、私生活は不器用だな」

 祖父が呆れた声を漏らす。

「優ちゃん、こんな不器用な男だが、よろしく頼むよ」
「はい……」

 なぜか、祖父がプロポーズのフォローをする。

「優、俺と生涯を共にしてくれ」
「はい!」

 無口な大工で御曹司の彼は、最高の女性と結ばれる――。