「専務もすぐに参ります。お掛けになってお待ちいただけますか?」
「はい」

 木島夫妻が、優の向かいに腰を掛けた。

「専務さんの推薦のプランナーさんが若い女性で驚きました」
「……」

 専務に会ったこともないはずが、推薦されていたことに驚く。

「私は嬉しいわ。話やすいし、希望をわかってもらえそう」
「至らぬ点はあると思いますが、最大限に努力させていただきますね」
「お願いします」

『コンコン』

「すみません。遅くなりました」

 姿を現したのは……。

 優は驚きポカンと口を開けて静止した。

「おい。マヌケな顔してどうした」
「ま、マヌケ!?どうしてあなたがいるんですか?」
「はあ?俺が、大橋建設の大橋瑛斗だ」
「大工さんじゃなく?」
「まあ、大工でもある」
「じゃあ、私を推薦してくれた専務って?」
「ああ。俺だ」
「はあ!?」

 驚きの声を上げてしまうのも無理はない。