◯御子柴家 夕方
◯リビング
舞の携帯から着信音がする。舞が携帯をとり、画面を見つめて驚いた顔をする―――
〜数分後〜
リアム「お風呂上がったよ〜」
(…あれ?)
ソファに座っている舞の後ろ姿を見つけたリアム。
リアム「舞、お風呂あがったよ」
後ろから、舞の肩を叩いたリアム。
リアム(あれ…?)
リアムが舞の顔を覗き込み、舞が泣いているのを見つける。驚きから、思わずパニックになってしまうリアム。
リアム「舞!? どうした…?」
(も、もしかして…!)
「ご、、ごめん。俺と二人きり、そんなにやだった?」
涙を拭う舞。
舞「違う」
リアム(とりあえずよかった…今度は僕が大泣きして立ち直れなくなるところだった)
「じゃあ、僕なんかした?」
舞「違う。あんたが原因じゃない」
リアム(それは一安心)「どうしたの?」「うるさい。」「でも心配だよ。」
立ち去ろうとする舞の手を握るリアム。両手で舞の手を包み込む。
舞「ちょっと、後輩に言われてるだけ。」
リアム「と、言うと?」
舞(変な心配をかけないだろうか。迷惑をかけないだろうか。言ってもいいのか、わからない)
リアム「言いたくないことなら、別にいいよ。でも、舞には笑っててほしいんだ。話を聞くことで舞が少しでも楽になれるなら、そうしてほしい。」
リアムに背を向けたまま、話し始める舞。
舞「…私、生徒会長やってるんだけど。後輩の生徒会員とちょっと色々あって。その子は人望だけで選ばれたような子なの。業務も真面目にやらない、ていうか会議に出席しないことだってあるし、いるだけ、肩書があるだけ。それじゃだめだから注意したら、『つまんない』とか言われて。」
リアム(ありえない)
舞がリアムの方を向く。
舞「なんでそんな人が会員なんだろうって思うでしょ。でも、そういう人ほどなんか友だちが多いっていうか。友達みんなが投票したら、通ちゃったの。私が、会長としてしっかりしなきゃいけないのはわかってる。でも、ついにはグループチャットとかでも私の悪口を言い始めて。ちょっと我慢の限界が来ちゃったかな、ってだけ」
ぽろぽろと涙を流す舞。
リアム(僕に…できることは)
「舞は、どうしたい?」
舞「生徒会は、やめたくない。でも、もうあの人に会いたくない。」
リアム「だったら、それを伝えたらいいと思う。同じ生徒会に、舞の味方をしてくれる人もいるでしょ?
――頼ってみたら?」
舞(頼る…頼れる、わけない。だって私が一番上に立つ人なんだもん。私がしっかりしなくちゃいけない)
リアム「舞ばっかりが悩まなくちゃいけないことじゃない。みんなで解決しなくちゃいけない問題だよ」
舞「うん…。頼って…」
(本当に頼っていいの? ううん、もう私だって我慢の限界)
「みる。うん、頼ってみる!」
その言葉を聞き、笑顔になるリアム。
リアム「うん」
(やっぱり舞は、責任感が強くて、常に誰かに頼られる存在だったんだろうな。後押しできたのなら良かった)
「できることは少ないかもしれないけど、僕のこともいつでも頼ってね」
リアムが目で訴えかけるように舞のことを見つめた。その瞳は、舞のことを大切に思う気持ちであふれていた。それから、リアムが舞の手を包み込むように握る。
舞(ねぇ、もっと近づいてきてよ。こういうときだけ抱きしめてくれないとか、バカ
――私は、なんでこんなことを思ってるんだろう)
◯リビング
舞の携帯から着信音がする。舞が携帯をとり、画面を見つめて驚いた顔をする―――
〜数分後〜
リアム「お風呂上がったよ〜」
(…あれ?)
ソファに座っている舞の後ろ姿を見つけたリアム。
リアム「舞、お風呂あがったよ」
後ろから、舞の肩を叩いたリアム。
リアム(あれ…?)
リアムが舞の顔を覗き込み、舞が泣いているのを見つける。驚きから、思わずパニックになってしまうリアム。
リアム「舞!? どうした…?」
(も、もしかして…!)
「ご、、ごめん。俺と二人きり、そんなにやだった?」
涙を拭う舞。
舞「違う」
リアム(とりあえずよかった…今度は僕が大泣きして立ち直れなくなるところだった)
「じゃあ、僕なんかした?」
舞「違う。あんたが原因じゃない」
リアム(それは一安心)「どうしたの?」「うるさい。」「でも心配だよ。」
立ち去ろうとする舞の手を握るリアム。両手で舞の手を包み込む。
舞「ちょっと、後輩に言われてるだけ。」
リアム「と、言うと?」
舞(変な心配をかけないだろうか。迷惑をかけないだろうか。言ってもいいのか、わからない)
リアム「言いたくないことなら、別にいいよ。でも、舞には笑っててほしいんだ。話を聞くことで舞が少しでも楽になれるなら、そうしてほしい。」
リアムに背を向けたまま、話し始める舞。
舞「…私、生徒会長やってるんだけど。後輩の生徒会員とちょっと色々あって。その子は人望だけで選ばれたような子なの。業務も真面目にやらない、ていうか会議に出席しないことだってあるし、いるだけ、肩書があるだけ。それじゃだめだから注意したら、『つまんない』とか言われて。」
リアム(ありえない)
舞がリアムの方を向く。
舞「なんでそんな人が会員なんだろうって思うでしょ。でも、そういう人ほどなんか友だちが多いっていうか。友達みんなが投票したら、通ちゃったの。私が、会長としてしっかりしなきゃいけないのはわかってる。でも、ついにはグループチャットとかでも私の悪口を言い始めて。ちょっと我慢の限界が来ちゃったかな、ってだけ」
ぽろぽろと涙を流す舞。
リアム(僕に…できることは)
「舞は、どうしたい?」
舞「生徒会は、やめたくない。でも、もうあの人に会いたくない。」
リアム「だったら、それを伝えたらいいと思う。同じ生徒会に、舞の味方をしてくれる人もいるでしょ?
――頼ってみたら?」
舞(頼る…頼れる、わけない。だって私が一番上に立つ人なんだもん。私がしっかりしなくちゃいけない)
リアム「舞ばっかりが悩まなくちゃいけないことじゃない。みんなで解決しなくちゃいけない問題だよ」
舞「うん…。頼って…」
(本当に頼っていいの? ううん、もう私だって我慢の限界)
「みる。うん、頼ってみる!」
その言葉を聞き、笑顔になるリアム。
リアム「うん」
(やっぱり舞は、責任感が強くて、常に誰かに頼られる存在だったんだろうな。後押しできたのなら良かった)
「できることは少ないかもしれないけど、僕のこともいつでも頼ってね」
リアムが目で訴えかけるように舞のことを見つめた。その瞳は、舞のことを大切に思う気持ちであふれていた。それから、リアムが舞の手を包み込むように握る。
舞(ねぇ、もっと近づいてきてよ。こういうときだけ抱きしめてくれないとか、バカ
――私は、なんでこんなことを思ってるんだろう)