「う、わぁ……」
思わず声に出てしまう。
スイくんが貸してくれたのは、男の子でもオーバーサイズなTシャツだ。
それを私が着てみたら、どうなるのか。
当然太ももはちょうどよく隠れて、それから。
肩が、ちょっとずれてしまう。
「……えへ」
ずれた布を引き寄せる。
無意識に笑みがこぼれていた。
スイくんの服だ……。
「……っは、べ、別に着たかったわけじゃないよ」
こうしたらスイくんを誘惑できるかなって、それだけのこと。
それだけそれだけ……。
「……えへへ」
……うう、ダメだ。
なんか、頬が緩んじゃう。
ただ私が楽しいだけで、スイくんはなんとも思わないんじゃないのかな……。
「スイくん、お風呂いただきました……」
そっとふすまの戸を開けて、スイくんを覗く。
壁にもたれて座るスイくんはスマホをいじっていた。
だけど私が声をかけた途端、すぐにハッと顔を上げる。
「ふ、服、ありがとっ」
「……」
あ、あれっ。スイくん、ちょっと顔赤くなってるかもっ!
成功してるのかもと、舞い上がった直後。
「……あのですね、緋織先輩」
「う、うん?」
スイくんが立ち上がって私の前に立つ。



