クールで一途な後輩くんと同居してみた










「えへへへっ、スイくんやさしー! うれしー!」



 お母さんとスイくんに挟まれ、布団を肩まで被る私。


 リビングで就寝するという非日常に胸が跳ねる。



「お母さんは明日も仕事だから先に寝るわよ。夜更かしもほどほどにね」

「うん! おやすみなさーい!」



 ZZZ……。私に背中を向けるように寝返りをうったお母さんは秒で眠りについた。


 お母さんも、私が提案したことを一ミリも迷わずに頷いてくれるから、好き!



「……スイくん、スイくん。お話しよ?」



 小声でスイくんを呼ぶ。


 反応はなかった。


 うそだ、こっちも寝ちゃったの!?


 まだ目が慣れていない暗い室内では、スイくんが仰向けに横たわっていることしかわからない。


 敷き布団の端ギリギリまで寄って、じ~っとスイくんを見つめた。


 んん……? 目は開いてる、かな?


 それに気付けたのと同時、スイくんが口を開く。



「……起きてます」

「! よかったぁ」

「こんなの眠れるわけないですよね」

「だよねっ、ウキウキしちゃうもんねっ」

「……どっちかというとドキドキですけど」

「うんうん、そんな感じもするっ」

「……」



 ワクワク、ウキウキ、ドキドキ……いろんな言葉が当てはまる気持ちだけど。


 つまりは楽しいってことだよね!