「スイくん?」
近付こうとしたら、制止の手が突き出される。
「一人にしてください。頭の整理が必要なんで」
布団に顔を埋めながら、スイくんはくぐもった声でそう言った。
「……そっか。うん、わかった」
迷惑をかけてしまった手前、私に肯定する以外の選択はできない。
着替えを持って、部屋から外に出る。
ふすまを閉めた直後、
「……っ、~~っ!」
スイくんの苦しそうなうめきが聞こえて。
言葉こそわからなかったけど、原因が私であるということは容易に理解できた。
スイくんに、嫌われちゃったかな。
嫌だな。
私、スイくんのこと大好きだ……。
一緒にいたいだけじゃなくて、触ってほしいし、好きって言ってほしいし、他の子を見ないでほしい。
スイくんとキス、したい、よ。
今さら認めたところで、届くかどうか自信がなかった。
それでも……諦めたくないから。
「ちゃんと、伝えよう……」
前を向いて決意する。
でもいつ言おう。
なるべく二人きりがいいよね。
脱衣場で身だしなみを整えてリビングに向かうと、スイくんのお母さんが鼻歌を歌いながらご飯を作っていた。
スイくんと喋ってる間に起きてたんだ。



