クールで一途な後輩くんと同居してみた



 そのためなら手段はなんだっていい。


 だけど。


 スイくんは……こんなことじゃ私を好きにならないんだ。


 急に自分の浅はかさが恥ずかしくなって、腕で顔を隠した。



「こんなことで気を引こうとした私に幻滅した……?」

「しないです、けど。あなたが思ってるほど、あなたは安くないんです。簡単に差し出さないでください」

「……ごめんね」



 フォローの仕方さえ優しい。


 迷惑かけて、怒らせて。


 情けないなぁ……。



「そんなに俺が信じられませんか? 俺は何があっても、緋織先輩のそばから離れるつもりはないんですけど」

「だってそれじゃあ、スイくんが好きな子と一緒にいられないでしょ……?」

「……え?」

「スイくんにはちゃんと好きな子と一緒になってほしくて……でも、私だってスイくんと一緒にいたいから、だから」



 私を好きになってもらおうと思って……。


 正直に吐露した自分の言葉は、なんとも子供っぽい。



「ん? ま、待ってください。なんか、おかしくないですか?」

「……何が?」

「緋織先輩、俺の好きな人は誰ですか?」

「へ……し、知らないよ? 勇気がなくて聞けなかったから……」

「あー……あぁ……?」



 スイくんは首をひねる。


 おもむろに布団の方へ移動して、


 
「はああぁぁぁ……」



 大きなため息を残し、ぱたりと倒れ伏した。