鎖骨にスイくんの頭がぶつかった。


 また寝ぼけて……。


 やっぱりあのときも、深い意味なんてなかったんじゃないかな。


 だってそうじゃないなら、さっき私がスイくんのマネをしたときの気持ちと同じってことになる。



 ――触れていたいから、したってことに。



「……っ!?」



 スイくんの手が太ももの裏に下りてくる。


 肌を滑る指の感覚に、ゾワリと背中が震えた。


 あ……て、手が、裾に入って。


 昨夜は触られなかったその場所にスイくんの手が動く。



「……んっ、す、スイく、」

「えろ……」

「な、ぇ……っ」



 寝てるん、だよね!?


 起きてたら、それはそれで色仕掛けが成功してていいんだけど……!


 一体どんな夢を見て――。



「あ」



 私の胸元で、スイくんがぱっちり目を開けて私を見上げていた。



「……あ、の」

「……」

「お、おはよう……?」

「…………、は?」



 スイくんはゆっくりと私から距離を取ると、数回自身の頬を叩く。



「ゆ、夢じゃないよっ?」

「……みたいですね」



 肺の空気を全て出し切る勢いで息を吐きながら、スイくんが体を起き上がらせた。


 私も同じように、畳の上で正座する。


 素足の正座は、座布団がないと痛いなぁ……、などと、余計なことを考えつつ。



「すみませんでした」

「スミマセンデシタ」



 私達は同時に土下座した。