危険な彼に焦がれて



「夜来さん、珠那ちゃんの傷の処置ありがとうございました」


「優雅もそこの女も礼を言う必要はない。これが僕の仕事だ」


「相変わらずですね、夜来さんは。それより、そこの女って呼ぶのはやめてあげてください」


「そうは言っても、名前は知らないからな。そこの女、名前は?」


そういえば、私名乗っていなかったな……


「折川珠那です」


「折川か。僕は夜来、医者だ。怪我をすればここに来るといい。できればそうならないようにしてもらいたいがな」


「分かりました。気をつけます」


頷きはするものの、無理だろうなとは思う。


ここは裏社会なんだから。


「それでいい。治療は終わった、ここにもう用はないな?」


「追い出すの早いですね、夜来さんは」


「ここは怪我をした奴が来る場所だ。折川の治療が終わった今、ここにいる必要はないだろう」


「ふっ、そうですね。じゃあ、戻ろう?珠那ちゃん」


「ええ。夜来さん、本当にありがとうございました」