到底答えを導き出すことができない悩みを抱えながら歩いていると、「あっ」と、咄嗟に声が出た。
マリちゃんが石の階段に遠慮がちに座りながら、スマホを抱えたまま顔を伏せていた。
そんなマリちゃんにゆっくりと近づく。
マリちゃんの手に触れながら小さい子供をなだめるかのように呼びかける。すると、マリちゃんはしぶしぶといった感じで顔を上げてくれた。
「……もう私、タクシーで帰るんで。ほっといてくださいよ」
「五十嵐先生料理いっぱい頼んじゃってるから。一人じゃ食べきれないって」
「なんですかそれ。知りませんよ。二人で仲良く食べたらいいんじゃないですか?」
何を言ってもマリちゃんの機嫌は直らない。



