マリちゃんをサキのような、苦い思い出にはしたくない。その一心で、
「じゃあ、私とマリちゃんの指導医変えてもらおう」
と、提案する。マリちゃんは細い目を私に向けた。
「仕事は遊びじゃないって、小夜先輩さっき私にそう言いましたよね?」
「……う、うん」
「そもそも私は麻酔科になるって決めていませんし、私には安達先輩が適任なんですよね」
「でもマリちゃん、五十嵐先生がいいんでしょ?」
「恋愛対象は確かに五十嵐先生ですけど、仕事の五十嵐先生はピリついてるし、怖いし、苦手です。そんな人、押し付けないでくれません?」
「…………え?」
てっきり、仕事も五十嵐先生と一緒にしたいんだとばかり思っていたけれど、そうではないらしい。
マリちゃんの考えていることが分からない。
分からなさすぎて、伸びてしまうと分かっているカップ麺に、手をつけられない。
「私は五十嵐先生と恋仲になりたいんです!」
「…………で、でも、仕事終わったら反省会で二人の時間になれるよ? 昨日それでご飯行ったし……」
「反省会でしょ!? 怒られてそこからアタックできません!」



