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やっと一息ついたところで、「幸野、エッセン行って来い」と、五十嵐先生が休憩に入れと合図をくれたために、マリちゃんと休憩に入る。
「小夜先輩、お疲れ様ですー」
「うん、お疲れ様ー」
片手にお弁当を持つマリちゃん。毎朝手作りしているらしいお弁当を膝の上に広げて食べ始めた。
かくいう私は、今日もロッカーに忍ばせていたカップ麺を手に取り、お湯を注ぐ。
そして、マリちゃんのオーベンに対しての愚痴大会が始まる。マリちゃんの教育係として教えてくれている人は麻酔科専門医の安達さんという女性の先輩だ。
比較的にうちの麻酔科医、特に女性の先輩は皆優しい人ばかりだが、マリちゃんはそんな安達さんに対してさえ不満があるらしい。
「――で、教える時も早くって、もう少し丁寧に教えてくれないと分かりません!」
「それは直接言った方が良くないかな……五十嵐先生なんて比べ物にならないくらい酷いよ?」
「私、五十嵐先生に教えてもらえるならどんなに厳しくても耐えられます!!」



