「な、なんでしょう」
意を決して聞いてみると、「こちら注文いただいておりました枝豆と焼鳥をお先にお持ちしました」注文した一部の料理が運ばれてきた。
五十嵐先生は「一緒食おうぜ」と、私に小皿を差し出した。
五十嵐先生はただ単に私とご飯が食べたくて誘ったわけではなかった。今から何を言われるんだろう。ビクビクしていると、その嫌な予感は的中した。
「今日、緊急でたくさん患者が運ばれてきたろ」
「は、はい」
今日の私の麻酔のことについて、言いたいことがあったようだ。真剣に五十嵐先生の話に耳を向ける。
「緊急患者は予定患者と違って絶食時間が守られてない。胃内容物が残材していることがある。その状態で麻酔導入時にマスクを換気すると、胃内に空気を送り込んで胃がさらに膨張する。基礎中の基礎だ」
「……は、はい」
「だから筋弛緩薬を用いてマスクを換気することはせずに、気管挿管するんだよ」
「はい……」
「時間かかってたが、初めてじゃなかっただろ? 何をそんなにテンパってた?」
「……そ、それは……すみません」
上手くできなかった私のミスを分かりやすく説明してくれた。



