sideいこい


ホームルームが終わってざわざわと騒がしい教室。



みんな続々と教室を出て帰っていく。





私は律くんが帰る準備をしているところに、話しかけに行く。




「律くん。」




「なに?」



私のことをちらっとも見ずに、リュックに荷物を詰めていく。



…話しかけてるんだから、こっち向いてくれたっていいのに。




「…今日どこ行くの?」


「カラオケだけど。」



「それってあの子たちと?」




廊下で、律くんのことを見つめるギャルの女の子たち。



律くんがさっき話してた子もその中にいる。




…さっき、話してるの聞こえちゃったんだよね。



咲夜くんの話なんてまるで聞こえなくなっちゃったんだから。