「先生」って呼ばせないで

「ふぅ…」


勇気を出して、校門をくぐる。


前に登校したときはまだ夏服だったけど、今はもう冬服。


葉っぱが減った木々を見て季節の変化を感じる。


「あ…あの子じゃない…?」


「しっ!聞えちゃうでしょ!」


校舎に入りフロアを歩いていると、ヒソヒソ話が聞こえてくる。


やっぱり噂になってるよね…。


騒がしかった廊下が、私が近づくとみるみる静まり返っていく。


……居心地悪いな…。


やっぱり来るんじゃなかった…。


早く梓に会いたい。


きっと梓なら変わらず接してくれる。


―ガラガラっ


教室の扉を開けると、また水を打ったように静まり返る。


「あれぇ〜?淫乱女サン、ようやくお出ましですかぁ?」


クラスの中心人物である、金本凛々子(かねもとりりこ)が嫌な笑顔で話しかけてくる。