「先生」って呼ばせないで

「きゃっ!!」


小さな段差に足を取られ、アスファルトに倒れ込む。


高松はすぐそこ。


「逃げんなっつって―」


逃げなきゃ。


立ち上がれない。


足が動かない。


「誰か助けてー!!!!」


「うるせぇんだよ!!」


っ!!!


高松が目の前にいる。


「誰か―」


胸ぐらを掴まれ、立ち上がらせられる。


「やだ……」


もうダメかもしれない。


このまま高松に連れて行かれる…。


やだ…。


怖い……。


「てめぇ何やってんだよ!!」


!?


怒号と同時に高松がぶっ飛ばされた。


「逃げるぞ。こっち来い」


「お…にぃ…ちゃ……」


お兄ちゃんが助けに来てくれた……。


助かったんだ…。


私、助かったんだ……。


よかった…


「おい、乃蒼!?大丈夫か!?」


張り詰めていた糸が切れ、私は意識を失った。