「先生」って呼ばせないで

廉くんは私の質問には答えてくれなかった。


「救護室行こっか。立てる?」


廉くんの手を借りて立ち上がろうとしたけど、足に力が入らなかった。


前に倒れ込みそうになったところを廉くん片手で抱きとめてくれた。


男らしいその動きにドキリとする。


「あぶな。無理すんな」


突然身体が宙に浮き、視界が90度傾く。


「えっ!?ちょっ―」


「開会式中。静かに」


なんか、お姫様だっこされてるんだけど!


さっきとは違う意味で心臓バクバクするんだけど!


「救護室行こっか」


そんな平然としないでよっ!


ギュッと身体が密着してるし、心臓飛び出ちゃうよ!


誰かに見られたらヤバいじゃん。


てか遥斗先輩に見られてたらどうしよう。


こっちは頭フル回転なのに、廉くんは涼しい顔して保健室まで歩く。