「先生」って呼ばせないで

「…こんなところで何してるの?開会式始まってるよ」


ユニホームを着ているから、今でもテニスを続けていて、試合に出る予定なんだろう。


「冷たいなぁ。再会喜ぼうよ〜」


「……話しかけないで」


元凶は別の男だけど、この男だって私の中学校生活を壊した一人だ。


まぁ…自覚はないだろうけど。


「あっ!梓(あずさ)ー!ちょうどいいところに!」


!?


空気を読まないこの男…大森大和(おおもりやまと)が、手を挙げながら一人の女の名前を呼ぶ。


「一宮乃蒼って覚えてる?久々の再会!」


大森は昔からこんな奴だった。


悪気はないのは分かってる。


誰にでもフレンドリーで、全人類をいい奴だと思って接してるタイプ。


人の悪意というものを知らない。


だから梓が私の学校生活を壊したというのに、そんなこと知りもしないで私達を引き合わせようとする。


「へぇ〜。乃蒼かぁ。超懐かしいじゃん。久しぶりぃ〜」


金髪で濃いメイクの三上梓(みかみあずさ)が目の前に立ちはだかる。