「先生」って呼ばせないで

いつも応援してもらえる側だったから。


大会には出れなかったメンバー、当時仲の良かった友人たち、お父さんお母さんお兄ちゃん。


いろんな人の応援を背にボールを追いかけていた。


優勝が決まったときの大歓声は忘れたくても忘れられない。


「あれ、一宮さんじゃない?」


「あ!噂になってるよね!」


既に前の方に固まって座っている女子グループからそんな声が聞こえてきた。


怖い。


噂って何?


もしかして中学時代のことがバレた…?


また噂になってるの…?


「……っ」


足がすくむ。


これ以上近づけない。


帰りたくても足が棒のように固まって後ろにも進めない。


「一宮さん!」


グループの1人の子が笑顔で手を振っている。