「先生」って呼ばせないで

山本先生だけズルい。


私も廉くんと楽しくお喋りしたい。


「はい、スマホ。次からちゃんと電源切っとけよ?」


「山本先生と仲良いの?」


「急に何?」


「楽しそうだなぁと思って」


ずるい。


山本先生と話してる時みたいに私とも話してほしいのに。


「お前のそういうとこ、昔から変わってないんだな」


「…そんなことないもん」


廉くんは目を細めて笑った。


今日やっと笑顔が見れた。


カッコいい。


この笑顔一回で1日は幸せに過ごせる。


「のんちゃんは昔からそうだよ。俺が怜と喋ってるだけで嫉妬して怜を除け者にしようとしてたじゃん。覚えてない?」


のんちゃん…。


のんちゃんと呼ばれる度に古い記憶が刺激され、胸がくすぐったい。


「私が廉くんって呼んだら怒るのに、廉くんはのんちゃんって呼ぶんだね」


「俺が言ってんのはオンオフをハッキリさせろってことだから。生徒が教師を名前呼びしてたらおかしいし、教師がのんちゃんだなんて呼んだら大問題だろ」


「でも寂しい。廉くんは廉くんなのに」