「先生」って呼ばせないで

「テニス部の顧問やることになって、キャプテン副キャプテンと春休み中に一回顔合わせしたから」


三笠先輩はキャプテン。


だから一度会ったことがあったんだ。


「そっかそっか。じゃあ、遥斗先輩情報が入ったら私に流してね」


「なんで俺がのんちゃんの恋愛に協力させられんの。自力で頑張れよ」


また“のんちゃん”呼び。


ズルい。


私は“一宮”じゃないの?


廉くんがそんなだから、私は余計に廉くんを教師しとして見れない。


「あ、そうだ。テニス部のマネージャー興味ない?」


「え…マネージャー?」


「そ。マネージャー増やしたいんだとさ」


…マネージャーか…。


遥斗先輩に恋心を抱いてから、それはずっと考えていた。


でも、部活はしたくない。


ましてやテニス部なんて絶対に嫌。


「マネージャーは興味ないかな。ごめんね」


中学時代の嫌な記憶が蘇るから。


忘れたいと何度願ってもこびりついて消えない記憶が。