「先生」って呼ばせないで

「次、一番うしろ。さっき寝てた奴」


廉くんと思われる先生に言われ、自己紹介の順番が自分に回ってきたことを知る。


「あっ、えっと…。一宮乃蒼です。あの、先生私のこと覚えてますか?私先生と昔…」


人違い…じゃないよね?


「覚えてるよ。怜の妹だろ」


…!!


「やっぱり廉くんだ!!」


しかも覚えててくれたんだ!


7年も前のことなのに。


「一宮さん、伊吹先生と知り合いなの?」

「えー、羨ましすぎる」

「ズルーい」


口々にそんな声が聞こえてくる。


「知り合いだけど、特別扱いしたりしないから大丈夫だ。じゃあ次の奴、自己紹介」


…そうだよね。


そりゃそうだよね。


特別扱いなんてしてくれるわけないか。


私が知ってる廉くんより、ずいぶんと淡々としいて冷たい…。


でも、しかたないんだよね。


頭では分かってるけど、胸がズキズキと痛む。