「先生」って呼ばせないで

「ていうか、一宮は三笠が好きなんだろ?俺の恋愛事情なんかどうでもいーじゃん」


「気になるもん」


今まで会えなかった分、廉くんという人間をもっと知りたい。


だって廉くんは私の憧れのお兄さんだから。


「怜に聞いてくれ。俺からは話さない」


「てことは、特定の人がいるんだ?」


「…“いた”。以上。この話は終わり」


早口に話を終わらせ、教科書を開く廉くん。


陰りのある表情が続く。


「もしかしてフラレちゃったんだー?」


教卓に身を乗り出して顔を覗き込むと、ペシッと頭を叩かれてしまった。


「いてっ!図星ってこと!?」


廉くんでもフラレることがあるんだ?


ビックリだなぁ。


ますます気になる。


どんな人なんだろう。


廉くんをフる彼女さんって…。


「終わりだっつってんだろ。で?解き直しはしてきたんだろうな。早く出せ」


「はいはい」


「“はい”は1回」


「廉くん怖ーい」


「“伊吹先生”な」


「はいはいわかってますよー」


「…はぁ……。ったく…」


廉くんの恋愛事情、気になりすぎる。


でも、伊吹先生は会話を続けてくれず、結局1時間半近く補習を受けることに。