「先生」って呼ばせないで

「今は補習の時間。タメ口も廉くん呼びもアウトな」


「質問の答えになってないよ。…です」


また睨まれたから慌てて敬語を付け加える。


「…まぁ、冷たいとはよく言われる。怖いはそんなに言われない」


「たしかに冷たい」


私の記憶より遥かに口も悪いし。


でも、素が知れたのは良いことだよね。


本当は優しいこともわかってるし。


「彼女には優しいの?彼女にも冷たいの?」


廉くんの彼女、きっと素敵な女性なんだろうなぁ。


美男美女カップルで、誰もが羨むような。


「だから、彼女はいないっつってんじゃん」


「彼女“は”ってことは、いい感じの人がいるってこと?」


ついからかって聞いてみると、廉くんはふっと陰りのある表情をした。


のも一瞬、また厳格な教師モードに入ってしまった。