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そして俺はそんな想いを募らせて、ついに限界を迎えた。
穏やかで甘い日々を過ごしていたある日。
いつも楽しそうに過ごしていたラナが初めて窓の外の向こうを恋しそうに見つめていた。
ラナがここへ来て以来、ラナは本当に楽しそうに、そして何より幸せそうに俺とここで過ごしていた。
一度だってここから逃げたいという感情を俺には見せなかった。
なのにこの日のラナは違った。
その瞳には間違いなく、外に焦がれる思いが宿されていた。
じっと窓の外を見つめるラナを見て沸々と怒りが湧く。
やっぱり、お前はここから逃げたいんだ。
俺と幸せに過ごしているフリをしていつかここから逃げ出そうとしているんだ。
それを巧妙に俺から隠し通せると思っていたんだ。
ラナの心以外全てを俺は手に入れた。
もうそれで十分なはずだった。
だけどやはりそれではダメらしい。
ラナの心が偽りであると思い知る度に心が重くなっていく。
自分のものではないかのように暗く沈んでいく。
最悪の気分になる。
ああ、もう我慢の限界だ。
俺はそう思うと同時に魔法を使い、自身の手の中に小さな小瓶を出現させた。
これでもうおしまい。
ラナの全部を手に入れよう。
心も全部。



