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離宮の庭を歩いていた昼下がり。
ついにエイダンと遭遇してしまった。
「お、ラナ!ちょっといいか?」
「…何でしょうか」
エイダンの隣にいたマテオに呼ばれて私は2人の元へ向かう。
黒の短髪に銀色の瞳で荒っぽい印象の美青年がマテオで、サラサラの金髪にアメジストの瞳のミステリアスな雰囲気を漂わせているもう1人の美青年がエイダンだ。
2人とも印象こそ違えどどちらもと美しい。
昼下がりの太陽を受けて、離宮の美しい庭に存在する2人はまるで何かの絵画のようだった。
「次の任務の話なんだけどよ?1週間くらいあっちに滞在予定だろ?だから宿のグレード上げてくれよ。高級宿とかよ?」
「いつもそれなりの高級宿を選んでいますよ?もしかして希望の宿があるんですか?」
「あるある。さすがラナだな。話が早くて助かる」
ガバッとマテオに肩を抱かれるが別に気にはならない。
私はそのままマテオに身を任せて話を聞くことにした。
「ほら、ここ。知ってるか?アムル地方の最高級ホテルプリモだ」
そんな私に上機嫌にマテオが魔法でどんどんホテルプリモの映像を流し始める。
マテオが見せる魔法の映像に映るホテルプリモはお城のように美しく精巧な作りをしており、四方は湖に囲まれ、ホテルを囲む湖の周りには小さな森が広がっていた。
さらにその森には今の時期にだけ咲き、夜には白く光るタルの花が咲いており、ホテルと湖を囲んで光り輝く景色はとても美しいものだった。
マテオが気に入り、行きたがっている理由もよくわかる。
「どうだ?最高の景色だろ?しかも飯も酒も美味いんだぜ?女も美人が多くていい宿なんだよな」
「…素敵なホテルですね。予算を確認してみます。予算内なら何とかなりそうですけどどうなるかは…」
「予算だぁ?そんなもの勝手にどっかから引っ張ってくるか、お前が国王に掛け合えよ?」
「私にそんな権限は…」
「あるよ。俺が保証する。何ならこのマテオ様が今からお前の言うことを聞かない全ての者を殺すって言って回ってもいいんだぜ?」
「…うぅ、そんな物騒なこと言わないでくださいよ。ただでさえ、ちょっと距離置かれているのに」
「ははっ!世にも恐ろしい魔法使いたちの唯一のお気に入りだからな。お前のことも怖いだろうよ」
「笑い事ではないですよ」
愉快そうに笑うマテオに私は肩を落とす。
さらに強く抱きしめられているがやっぱり気にはならない。
異性だとわかっているが、そうだとは思えない。
だからアランも危機感がないとか言っているんだろうな。
自覚はある。



