「アナタがエイダンを好き?嘘でしょ?私でもわからなかったわよ…?」
「これでも上手く隠していたつもりなんですよ」
「上手すぎるわ。アイツがアナタの特別だったなんてきっと誰も気づいていないはずよ。何人かの魔法使いはアナタの気持ちを聞いて嫉妬で暴れたり、何十年も泣き続けるでしょうね。町一つ…いえ、国一つだって滅ぼしかねないわ」
「そ、それは大袈裟では…」
「アナタ自分がどれだけ愛されているかまだまだわかっていないみたいね」
はぁー、と呆れたようにため息をつくアランに私は苦笑いを浮かべる。
そう言われましても。
好かれていることは十分わかっているけど、そこまでとは思っていないよ。
「自覚が足りない。危ない子うさぎちゃんだわ」
私の様子を見てアランがまた大きなため息をつく。
そして私との距離を詰めてクイッと私の顎を少しだけ上に向けた。
「私だってアナタのことが大切なのよ?今ここでこの可愛らしい唇を奪いたいくらいには」
「…はぁ」
「毒されているわね、本当」
美しいアランに甘い声で囁かれても私の心が揺れることはない。
まさに毒されている。
ここにいるいろいろな魔法使いたちにこんな少しだけ過激なスキンシップはされすぎていたのでもう慣れた。
でもきっとエイダンからのこれには慣れることはないだろう。
「嫌な顔。誰のことを思ってそんなかわいい顔をしているのかしら」
少しだけ悔しそうに笑うとアランは予告通り私の唇にキスをした。
「…っ!アラン!」
「ふふ、今度は私のせいね」
楽しそうに笑うアランを睨み付けるが、それでもアランは嬉しそうだ。
魔法使いは変わり者。
アランもカイもそしてエイダンも。
みんな何を考えているのかわからない。



